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薄れ行く意識の中で、覚えているのは紅く彩られた景色と、そして、一番大切な人の姿。
奪われていく体温。
それでもまだ、終わらせるわけにはいかないから。
ギィ…
重い扉の軋み音が響く。
「ふっ…、やはりしぶといな」
まだ目が霞む。ぼやけた輪郭はそれでも紛れもなく一番会いたくない奴のもので。
「生憎…往生際が…悪いんでね……」
どうにか絞り出した声で、それだけ言うのがやっとだった。
「まあ、そうでなくてはつまらんがな。……おい」
背後から現れたのは、よく知った人物。
……あの時、置いていかなければ。助け出せていれば。
おまえにこんな役目をさせなくて済んだのだろうか ―― ?
「しばらく面倒をみてやることだ」
「…はい」
歩み去る靴音がやけに耳につく。相沢の足音が遠ざかっても、しばらくは無言のまま、静かに睨み合っていた。
「……もう、気がついちゃったんだ」
沈黙を破ったのは直の方だった。静かに、抑揚のない声で。
「相沢の薬か?」
「そう、クリスくんが使ったのよりもっと強力なやつだよ。集団に幻覚を見せる」
やっぱり、か ――
流れ出る血も、奪われていく体温も、はっきり覚えている。
それなのに、傷はどこにもなかった。
「……どうゆうつもりだ?」
「………別に」
「恨むならオレと七海だけにしとけ」
「…っ、うるさい………っ」
そう呟いたオレに直は苛立った目を向ける。
「ああ、そうだよ。恨んでるよ、おにいちゃんも七海先生も、憎くて憎くて堪らないよ。なんでオレだけこんな目に遭わなきゃいけないのさ。オレのこと忘れた空ちゃんも、ひとりだけ無事だった祭ちゃんも、みんな…みんな、大っ嫌いだよ ―― っ」
「…だったら」
そっと手を伸ばす。
「なんでそんな哀しそうな瞳で泣くんだ…?」
「……っ」
なあ、直。
もう、おまえだけが犠牲になることなんてないんだぞ……?
「…ごめん、おにいちゃん」
「!」
聞こえるか聞こえないかの小さな呟きとともに、意識はまた深い闇へと落ちていった ――
…ごめんね、おにいちゃん。ごめんね、七海先生。ごめんね、祭ちゃん。
でももう少しだけ、付き合って。この茶番に。
あと、もう少しだから。
どちらも本当。
憎くてたまらない。
………でも、
愛しくて、気が狂いそうになる。
もう二度と、その笑顔を向けてくれなくても。
もう二度と、この手を掴んでくれなくても。
自分が選んだことだから。
自分で決めたことだから。
だから。
……さよなら、空ちゃん。
―― この想いだけは、誰にも……
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真性アスキラー。
思いもよらずダブルOが歴代G
の中で一番好きな状況に。
成層圏の向こう側まで狙い
撃つ兄貴を愛してやまず。
BAS●RAの影響で戦国史に
どっぷり。VIVA眼帯。
えろすきーだけどホモスキー
に非ず。
オフラインでは【絶対零度】
というサークル名で活動中。