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いつかは、この空も飛べるかもしれない。
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「一騎」
どこかに向かっていたらしいその背中を呼び止める。
「総士…」
振り向きもせずに一騎が名前を呼び返した。
そんな一騎の正面に立つように、ゆっくりと歩を進める。
一騎は立ち止まったまま、そこを動こうとしない。
「…帰ってたんだ」
「ああ、ついさっき」
視線を合わせないようにしたまま、一騎が呟くようにそう言った。
「ただいま、一騎」
何かを言いかけた一騎の唇を奪う。
「ぅ…ん……」
固く閉じられた歯列をなぞるように舌で触れると、諦めたように開いた。
水音を立てて、しっかりとその舌を絡め取る。
「…は……」
なすがまま貪られた一騎の瞳は、熱に侵されているかのように潤んでいて。
本人に自覚はないのだろうけれど。
「ここ、学校…」
小声で非難めいた言葉を口にするけれど、体裁を取り繕うためだということはわかりすぎるほどわかっていた。
「…ここをもうこんな風にしてる奴が言う台詞じゃないな、一騎」
「………っ」
そっと手を一騎の下肢に伸ばす。
「キスだけでこんなに固くしてるくせに。…ここだって」
「や……っ」
素肌に直接着ているシャツの上からでもわかるほどのしこりに、そのまま歯を立てる。
「…ぁ…」
布地越しに感じる唇や舌の感触がもどかしいのか、知らず一騎は猛った己をこすりつけるように腰を動かしていた。
「僕がいなくて寂しかった?」
「…んな…こと……っ」
「…それとも、剣司あたりにでも相手してもらってた?」
「違…っっ」
言葉と躯と、両方弄びながら、すっとズボンに手を差し入れる。
なんの前触れもなくいきなり指を2本挿れると、一騎はびくんと背中を仰け反らせたけれど、それでもすんなりと呑み込んで。
「準備する必要、なかったかな」
「…ぁ、あ……っ」
蝉が鳴いている。
しっかりと咥え込んだそこから洩れる水音も、唇を噛みしめて耐える口元から微かに洩れる嬌声も、互いの息遣いも、すべて掻き消してしまうくらい。
太陽がアスファルトを灼く音。
風が夏草を揺らす音。
夏の音が、すべてを覆う。
このちっぽけな楽園を。
造り物の箱庭を、造り物の音が包んでいた。
「…ん……ぅ…っ」
堪えきれないとばかりに、一騎の口から呻きが洩れた途端に、今まで以上に締め付けてくる。
びくんと体を震わせて、くの字に体を折り曲げる一騎を支えるように、腰を抱く腕に一層力を込めて。
己もまた、その熱を一騎の内に吐き出した。
一騎はまだ、荒い呼吸を繰り返しながら体を震わせて。
宥めるように。
自分自身も、宥めるように。
その背中を。
その、体を。
ぎゅっと、抱きしめた。
たとえ、ここが造られた楽園でも。
たとえ、この蒼が造られた空でも。
君だけは、本物だった。
(一騎…)
知らなければよかったと思うことなど、本当はたくさんあって。
僕が、君を閉じ込めていたように。
僕もまた、この造り物の楽園に閉じ込められていて。
そしてきっと、その檻の扉は抉じ開けられるのだ。
(もうすぐ…)
きっと、もうすぐ。
その扉は開かれる。
……望まなくとも。
もう一度、その温もりを確かめるように、抱きしめる腕に力を込めて。
(きっと)
誰にも捕らわれずに、自由に飛べる。
本当の空を、飛べるから。
--- 2004.7.6 ---
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真性アスキラー。
思いもよらずダブルOが歴代G
の中で一番好きな状況に。
成層圏の向こう側まで狙い
撃つ兄貴を愛してやまず。
BAS●RAの影響で戦国史に
どっぷり。VIVA眼帯。
えろすきーだけどホモスキー
に非ず。
オフラインでは【絶対零度】
というサークル名で活動中。