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神崎廉が今まで書いてきたSS保管庫。
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ただ、嬉しかった。
一緒にいられることが、何よりも嬉しくて。
罪の意識さえ、凌駕してしまうほどに。
隣に、在るべき場所に、互いがいて。
誰に憚ることなく、名前を呼んで。
その声で、その瞳で。
呼び合える。
ただ、それだけのことが。

嬉しかった。

 

『仲がよすぎる』、なんて。
昔から聞き飽きた言葉だった。
それは、一緒に戦うようになって、一緒の艦にいられるようになってからも同じ。
半ば呆れた目で、揶揄うように言われても。
自分たちには、当たり前のことだったから。
これが、自分たちの本来の姿だったから。

 

キスは昔から挨拶代わりで。
オーブで2度目に再会したときも。
機体をモルゲンレーテの工場に隠す前に、皆の目を盗んで、機体の陰に隠れてそっと、キスしてた。

戦闘に出る前も、そう。
互いの機体に乗り込む前に、まるで神聖な儀式のように。
必ず互いの許へ帰るという誓いと、そして。
強くなれる、魔法。
戦場にいても、怖くなどなかった。
すぐ傍に、互いを感じられるから。
だから、安心して背中を預けた。
考えずとも、互いの行動パターンはわかっていて。
強くなれた。
一緒に、いるから。

 

わかりあえていた。
昔の、ように。
…わかりあっていた、はずだった。

 

     ●

 

「キラ、そっちの調整は?」
「もうちょっと」
「じゃあ、終わったら食事にしようか」
「うん」

昼間の僕たちは、いつもと変わらない。
有事には先陣をきって出撃して、戦闘のない時は、機体を整備して。
その合間に交える会話も、いつもと変わらない。
戦況や機体のこと、あとは何気ない他愛無い会話。
連合軍との緊張状態はいまだ続いていたけれど、それでも時には笑みさえ漏らすような。
昼間の僕たちは、いつもの僕たちだった。

 

食事を終えて、部屋に戻るまで。
いつものように、他愛無い会話を交わしながらふたりで通路を進んだ。
けれど、部屋の扉が目の端に映ったとき、少しだけ体が強張るのを感じた。
「キラ?」
不思議そうに、促すように名前を呼ぶアスランの声は、いつもと変わらない。
「ううん」
なんでもないよ、という言葉は飲み込んで、先に扉の前に立つ。
シュンッ
空気の抜けるような音を立てて、部屋の扉が開く。
主がふたりともいなかった部屋は、薄暗い。
明かりをつけようとして思わず伸ばした手を、掴まれて。
「明かりはいらないだろ?」
アスランが耳元で低く囁く。
後ろから抱き込まれて、身動きの取れない僕の体に、アスランが手を這わせていく。
「アスラ……」
焦ったように名前を呼ぼうとする僕の唇を、自分の唇で塞いで。
その間も、アスランの手は休むことなく動いていて。
僕の弱い場所を、的確に攻めていった。
体中を駆け巡る痺れに、全身が総毛立つ。
その感覚に耐えようと、無意識のうちにぎゅうっとアスランの軍服を掴んでいた。
「ン…ぁ…っ、アスラ…ン」
ようやく唇が放されると、力の入らない手でアスランの体を引き剥がそうとした。
支えがなければ立っていられないほどではあったけれど。
「シャワー…、浴びさせて……っ」
でも、そんなことはとっくにアスランにはわかっていて。
「今はそれよりこっち、だろ?」
薄暗くてはっきりとはわからなかったけれど、口元だけで笑ったアスランが片手でしっかり僕の腰を支え、もう片方の手をズボンの中に滑り込ませた。
「…ぁ……ッ」
まだ慣らしてもいないそこに、アスランが乱暴に割り入ってくる。
「キラ……」
耳元で囁く声は、優しいのに。
無理矢理こじあけられた躯はそれでもアスランを受け入れて。
生理的な涙とはまた別に、涙が溢れてくる。


何も言わずとも、お互いの気持ちを知っていた。
互いの心を、わかり合っていた。
けれど。

(わかんないよ…)
何度も何度も貫かれながら、瞼の裏に浮かぶのは、昔と変わらない昼間の優しい笑顔と、夜にだけ見せる表情(かお)。
(わかんないよ、アスラン…)

アスランの気持ちが。
わからない ――


--- 2004.2.19 ---

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プロフィール
HN:
神崎 廉
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性別:
非公開
自己紹介:
絵描き兼字書き。
真性アスキラー。
思いもよらずダブルOが歴代G
の中で一番好きな状況に。
成層圏の向こう側まで狙い
撃つ兄貴を愛してやまず。
BAS●RAの影響で戦国史に
どっぷり。VIVA眼帯。
えろすきーだけどホモスキー
に非ず。
オフラインでは【絶対零度】
というサークル名で活動中。
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