[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ロッカーから続くシャワールームから出た時には、通路にはもう人影はなかった。
その事に僅かに安堵しながらも、キラは複雑な心境で自分の前を行くアスランの背中を見遣った。
『ここじゃ…やだ…っ』
恥ずかしさに俯きながらも、思わず口をついて出た言葉。
その後のアスランは、いつものアスランで。
それ以上触れようともせずに、シャワーを浴びて着替えるよう促された。
そして今、ふたりで部屋に戻るところだった。
(アスラン…)
部屋に戻ったとき、そこにいるアスランは、どちらのアスランなのだろう。
(わかんない、よ…)
シャワーを浴びても、躯の奥を焦がす熱は治まりはしなかった。
けれど。
触れられる度、抱かれる度に、熱くなる躯とは対照的に、心は凍える一方で。
(アスラン…、わかんないよ……っ)
覆う氷は溶けることはなく、凍った心はそのまま粉々に砕けてしまいそうだった。
「何してるんだ?」
言われた言葉にハッと我に返る。
いつの間にか部屋まで戻ってきていたらしい。
入口に立ち尽くしたままのキラに、アスランが抑揚のない声で続けた。
「キラから誘ったんだろう?」
そう言いながら、キラの顔を覗き込む。
「自分から脱ぐくらい、してよ」
意地の悪い笑みを浮かべたまま、キラの耳元で囁いた。
「……っ」
信じられないという顔でアスランの顔を見ると、その瞳は笑ってはいなかった。
きり…
胸の奥が軋む。
(アスラン…)
爪が食い込むほどに、拳を握りしめる。
泣きたくなる気持ちを、必死に抑えつけて。
震える指で、軍服に手をかけた。
唇を噛んで俯き気味に脱いでいくキラの姿を、アスランは目を逸らすことなく見つめていた。
パサ…
最後の1枚が床に落ちる。
先ほどシャワーを浴びたばかりなのに、体は冷え切っていて。
けれど、アスランの視線の先の肌は、灼かれるように、熱い。
そしてその視線に誘(いざな)われるまま、躯の奥から疼くようにまた熱が湧き起こってくる。
―― 心とは、対照的(うらはら)に。
ぞく…っ
素肌に感じる寒さと、内から這い登ってくる熱との温度差で、キラは体を震わせた。
アスランはそんなキラを、無感情ともとれる表情で見つめたまま。
「ベッドの上に座って、足、開いて」
優しい声音でアスランが囁く。
けれどどこか、冷たさを含んだその声に。
また心に冷たい棘が刺さる。
それでもキラは、命ぜられた通り、ゆっくりとシーツに腰を下ろし、おずおずと足を開いた。
羞恥と、もどかしさと、…悔しさに、思わず滲んだ涙と、そして。
先端に留まっていた、雫が。
同時に、零れ落ちた。
とても長く感じられた静寂の中で、アスランがクスッとひとつ笑った。
「何? 見られただけで感じる?」
「違……っ」
「じゃあ…」
零れ続ける透明な雫を絡め取るように、長い指で掬ってみせる。
「これ、何?」
見せつけるようにゆっくりと、その雫を口に含んで。
「ん……っ」
そしてそのまま、キラに口付ける。
自分の舌を、キラの舌に擦りつけるように絡め合って。
「…ぁ……」
「わかった? 今のが、キラの味」
「…っ」
楽しそうにアスランが囁く。
けれどすぐに、表情をなくした顔で。
「…なんで、泣くの? キラ」
「泣いてなんか…っ」
「うそつき」
ぽつりと、呟いた。
「アス…ラン……?」
そしてすっと、キラから離れた。
小さな呟きではあったけれど、そこに含まれた何かを感じ取ってキラは思わず名前を呼んだ。
けれどアスランはじっと動かぬままで。
キラもそのまま、アスランを見つめていた。
どれくらいの時間をそうしていたのかわからない。
アスランは一向にキラに触れようとしなかった。
先程の呟きに含まれたものが何かはわからないけれど、何かがひっかかっていた。
羞恥や悔しさも掻き消してしまうほどに。
けれど、熱を帯びたままの躯は、鎮まることを知らぬかのように、雫は溢れ続け、シーツを濡らしていった。
「アスラ、ン…」
静寂に耐えられずに、震える声で名前を呼ぶ。
すると、口元だけで笑ったアスランが短く答えた。
「何?」
「………」
相変わらず冷たく響くその声に、また泣きそうになったけれど。
ぐっと堪えて、アスランの瞳を見つめ返した。
先程感じたものが何か、答えをその瞳の中に探すように。
気のせいかもしれない。
けれど、その翡翠の瞳が揺れたような気がして、キラが名前を呼ぶよりも早く。
「どうして欲しいの?」
アスランが静かに口を開いた。
「……」
「言わなきゃ、わからないよ? キラ」
(…わからないのは、君の方じゃないか……っ)
思わず叫びだしそうになるのを必死に抑えて。
泣きだしたい心も、抑えつけて。
「……て」
消え入りそうな声で、呟いた。
「聞こえない」
たとえ、どんなに酷く扱われても。
アスランの心が、わからなくても。
「…し、て……」
それでも、求めてしまうから。
躯も、…心も。
アスランを、欲しているから。
「…ダメだろう? ちゃんとねだらないと。…これが」
そう言いながら、アスランが素早くベルトに手をかける。
「…っ」
「欲しい、って」
そしてそのまま、怒張しきったそれをキラに突き立てた。
「…ぁ…っ、は…ぁ、ん……っ」
苦しげに眉根を寄せながら、それでも確かに洩らす吐息は甘い響きを含んでいて。
腕の中で乱れていくキラを、どこか醒めた心で眺める自分がいた。
それでも律動は激しさを増し、より深い場所まで犯すように、キラの足を更に持ち上げた。
「あ…ぁ…っ、ぁ…」
「…そうやって、誰にでも足を開くの? キラ…」
思わず洩らした呟きは、熱に浮かされたキラの耳に届く前に掻き消されていた。
--- 2004.4.22 ---
| 05 | 2026/06 | 07 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 |
真性アスキラー。
思いもよらずダブルOが歴代G
の中で一番好きな状況に。
成層圏の向こう側まで狙い
撃つ兄貴を愛してやまず。
BAS●RAの影響で戦国史に
どっぷり。VIVA眼帯。
えろすきーだけどホモスキー
に非ず。
オフラインでは【絶対零度】
というサークル名で活動中。